息子Kが3歳になるかならないか頃の話です。
下の子はまだ0歳だったこともあり、余裕が無く、床には常に唾用の雑巾が散乱していたあの頃。
子育てには様々なしんどい時期があると思いますが、何とも言えない独特なストレスがたまる長い4か月間でした。
子供の唾吐きでお困りの方、参考にはならないかも知れませんがいつかは終わる、と希望を持って頂けたら幸いです。
唾吐きの始まり。
私が夕食の準備をしている時、ふとKを見ると床に唾を垂らしていました。
私「どうしたん?何か気持ち悪いん?」
K「ううん」
Kは普通な様子で答えました。
しばらくしてKを見るとまた唾を床に垂らしています。瞬時に(これは怒ったらダメなやつ、騒ぐと唾吐きが始まってしまう!)と判断し、何てことない風を装いながらティッシュで唾を拭き取ります。
私「床に吐いたら汚いよ?口ん中気持ち悪かったんやな。」
K「気持ち悪くないよ。」
この件は母親が騒ぐことでも気を引ける行為でもないよ、と思わせたくて冷静にサラリと終わらせようとしました。
焦った反面、Kはこの日ちょうど風邪が治ったばかりだったので本当に口が気持ち悪かったんかなと思い、そこまで気にしていませんでした。
エンドレス唾吐き
次の日も、床に唾を垂らしています。
そのたびに私はまだ何とか平静を装って「こんなとこに吐いたら汚いよー?ティッシュに吐いたらー?」と普通のトーンでKに諭します。
Kは母の動揺を見抜いていることが多々あるように感じます。部屋の中で唾を吐くという行為は異様でけしからんこと、母は必ず怒ってくるだろう、と試されているような気もしました。
どれだけ平静を装って、なんてことない風に拭いても拭いてもやめる気配はありません。
一日中床に唾を吐かれて、何度も拭き取っているうちに(何でこんな本来やらなくていい仕事をしてるんだろう)(Kは頭がおかしいんじゃないか)(一生続いたらどうしよう)と簡単にキャパオーバーになり、夕方には大声出してました。
「なあ!!!ちょっと!!何をしてるんよ?!!汚いやろ?!!もう自分で拭いて!!」
Kに無理矢理ティッシュを持たせ、腕を引っ張って唾を拭かせようとしました。
「いやー!いやー!拭かないっ!」
Kは抵抗して怒り、半泣きです。
グズりがひと段落して、また平気で唾を垂らしまくっています。
ここで怒ってしまったのが関係あるのかないのか分かりませんが、唾吐きはこの後4か月続きます。
息をするように唾を吐く
一度感情的に怒ってしまいましたが、ひたすら興味のない態度を続ければいずれ飽きて止めるだろうと信じ、また演技することにしました。
廊下、部屋の入口、隅、吐かれる度に足でサッと拭き取ります。(唾拭き用にボロ雑巾をカットしてあらかじめ床に何枚か置いていました。)
拭いている姿を見られるとまたやられそうなのでKが見ていない隙に拭きました。
うっかり見逃して、知らずに唾を踏んでしまった時の不快感ったら嫌なものでした。Kが自分で踏んでビャーっと床に伸びていることもありました。
唾吐きが始まってしばらくした頃、Kはもはや誰も見ていなくても唾を吐くようになっていました。(え?何で?何のために吐いてるん?)混乱しました。
人が隠れて用を足すように、他の部屋で静かに唾を垂らして戻ってきたり、数時間唾を吐いてないなと思ったら元を取るかのように何十回も連続で唾溜まりを作ったりしていました。
しかし当てつけの意味もやはりあるようで、イライラしている時ほどよく吐く印象でした。
幸い、子供の唾吐きをネットで検索して出てきたような、入り組んだ物の隙間に唾を入れる、などはしませんでした。(バンボの裏のくぼみに垂らした時にはゾッとしましたが、一度切りでした。)
基本的には自宅の床で、外出先でも床に垂らすだけなので処理はしやすかったです。友人の新居(!)で一回、自宅マンションの廊下で数回、お出かけ先でも数回垂らしていました。
唾吐き期後半の様子
後半になると、唾吐きのことを忘れてくれることが多くなりました。床のボロ雑巾も置かなくなりました。
そのくらいのタイミングで幼稚園に入園し、また増えるかと思いきや無くなっていきました。
先生を試したかったのか、一度幼稚園で唾を吐いたようで、先生から報告を受けました。
「今日Kくん、床に唾を吐いたんです。今回はちょっと強めに叱らせて頂きました。」
これがほぼ最後の唾吐きだったと思います。
当時を振り返って
唾を吐いていた全盛期を思い出すと、胸がキュっとしました。
下の子のお世話で全く母にかまってもらえないKはどんな気持ちでいたんだろうと、切なくなりました。
今になって一人遊びをするKの小さな背中が頭に浮かびます。
下の子は母乳が大好きな子だった上に、私自身は母乳をあげている期間はものすごく疲れやすく、必要最低限のことしかできませんでした。
Kは妹が生まれてから、焼きもちを焼くような態度を出す子ではありませんでした。お母さんは赤ちゃんのお世話がある、と分かっているかのようにいつも淡々と一人で遊んでいました。
もちろん強引に遊びに誘ってきたりもしましたが、今はできないよ、と言うとすぐに諦めてくれていました。
小さな我慢が積もりに積もって、お母さんが妹につきっきりの状態、一体いつまで続くの?!と爆発してしまったのでしょうか。
まだまだ育児は大変ですが、気持ちに余裕が出てきた今、ようやく子育てのヒントやアドバイスが頭に入るようになりました。
例えば子供が登園をしぶる時、1対1でしっかり向き合って遊んであげる時間を作るだけで子供は気持ちが満たされ、登園であまりぐずらなくなる、など実践すると(本当だ!)と意外とすぐに解決することもあります。
理屈は分かりますが、下の子が小さい時はなかなか難しいですよね。
実は唾吐きだけでなく、キッチンの蛇口を伸ばしてリビングに水をドボドボ放出したり、物を投げる、物に当たる、床におしっこするなど、荒れていました。悪魔の3歳児ってこんなもんですかね。
あの頃少しでもKのためだけの時間を作ってあげたら良かったなぁと少し後悔しています。
そんなKが落ち着いていくまでの様子をまとめています。
よろしければこちらもご覧ください。
0歳~1歳 息子が落ち着いていくまでの記録①